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2022年元旦、RCEP発効

RCEPが2022年元旦に発効した。12年11月、交渉開始、20年11月、署名、21年11月、発効要件が満了となり、日本、オーストラリア、ニュージーランド、ブルネイ、カンボジア、ラオス、シンガポール、タイ、ベトナム、中国の10か国について発効する。さらに、21年12月、韓国も寄託を終え、22年2月1日に発効することになる。これにより世界GDPの3割を占める巨大な経済圏が誕生するとのことだ。
これまでASEAN諸国、チャイナ・プラスワン等のキーワードが使用されていた時代は中国と東南アジア諸国は生産国であり消費国ではなかった。しかしながら、RCEP時代は生産国兼消費国であり、広域な地産地消型経済圏が誕生する。
この経済圏で中国が影響力を強めるとの向きがあるが、元々、中国基点で生産・供給されるサプライチェーンが確立しているため、中国と各国間の関税が逓減していくことで、中国の品質、コスト、(配船)スピードの競争優位性が増す可能性が高い。
さらにこの経済圏の1人当たりGDP(国の生産性)が増加すると他国もRCEPに加盟する可能性がある。今後、RCEPの動向に注視していきたい。

竹本 佳弘