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OMO(Online Merges with Offline)の成功要因

O2O(Online to Offline)からOMO(Online Merges with Offline)へと、EC店舗と実店舗を融合した差別化施策が普及しつつある。韓国ではOMOを活用した企業が年平均成長率、数十%成長しているとのことだ。
これまでのO2OはEC店舗から、いかにして実店舗に送客するか、両店舗の相互補完的役割をどのように定義、機能させるか、が成功要因の1つであった。OMOは両店舗の機能融合による顧客体験価値の最大化を指すようである。
OMOについて日本英語として使用する「Mergeする(集約する)」という意味だけではなく、次の観点でMergeすることが成功要因の1つと考える。
在庫、価格、顧客データ、IT、実行体制(組織)である。
在庫については従前からのEC/実店舗在庫の別管理、在庫偏重、あるいはEC専用商品管理等の個別管理の解消が必要となる。
価格については、同一商品において、EC/実店舗の複数価格、短期間の価格変更等、価格統制が必要となる。
顧客データ(データベース)、ITについてはSIerがソリューション提案する通り、両店舗の融合(統合)が必須である。
最後に組織であるが、両店舗のハイエンド人材の実態(高世代の実店舗要員とスキルセット・感性の高いEC店舗要員)を理解した上で、組織再編が必要である。これには前述の2つのハイエンドをつなぐミドルマネジメント層の奮闘が必須となる。

竹本 佳弘