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ESG(環境・社会・企業統治)投資とサプライチェーン・ガバナンス

ESGマネーが日本株を素通りするリスクが浮上している。国際金融協会によると株式運用するESGファンドへの資金流入額は2022年1~3月に412億ドル(約5.2兆円)、2020年同期間の2.5倍の規模とのこと。
証券会社大手が世界のESGファンドの日本株保有比率を分析したところ、ベンチマークを3割下回る。一方、欧州株保有比率はベンチマークの2倍である。

23年1月以降、運用会社は投資先企業のESG情報(例えば温暖化ガスの排出量)をより多く開示しなければならない。投信会社大手が金融情報会社のデータをもとに、時価総額3億ドル以上の企業を対象に取引網まで含めた排出量の開示状況を調査、欧州企業は6割以上が開示、
一方、日本企業は3割に留まるとのことだ。

日本企業が投資家からの開示要請に対応するためにはサプライチェーン・ガバナンス(弊社提唱)を整備する必要がある。サプライチェーンの構成企業がサプライチェーン全体のCO2排出量を統一ルールのもとで算定、開示するのである。キャプテンとなる企業あるいは業界団体がガイドラインを策定する。これにより、運用会社及び投資家は透明性のある統一された基準で日本企業を評価することが可能となる。

竹本 佳弘