TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

EC倉庫自動化のKFS

物流2024年問題(ドライバーの残業規制且つ従前からの労働力不足による物流コスト上昇)がフォーカスされるなか、EC倉庫の作業員不足も加速している。経産省統計ではEC市場は15兆円(17年)から22兆円(22年)と1.4倍(5年間)に成長している。一方、EC倉庫の作業員不足により勝ち組のEC企業は倉庫自動化で対応する。アパレルEC最大手は23/11月、物流ロボティクス等に100億円投資した新倉庫を稼働させた。900ブランドを取扱い、ハンガーソーターを駆使してピッキング、梱包などを自動化、1時間あたり約1万件の注文に対応可能、既存物流倉庫と比べてスタッフを3割削減したとのこと。

今後もEC市場は成長分野であり取扱品がB2B領域にも拡充されると推察される。ここで投資対効果を実現するためのKFSとして2点あげたい。物流ロボティクスの稼働時間最大化とダウンタイム極小化である。1点目は自動化倉庫の稼働時間である。従前からの朝から夜までだけではなく24時/365日のフル稼働が必要である。省人化に資する機械の稼働時間最大化である。スループットを向上させ、投資対効果を極大化する。2点目はダウンタイム極小化である。天災・人災等による電力停止による倉庫非稼働である。数時間の電力確保ではなく長期の電力確保(発電)により少人数且つ機械だけで倉庫稼働させるのである。

竹本 佳弘