2024年度よりトラック乗務員の残業上限を年間960時間にする規制が適用され、人材不足による物流コスト増に拍車がかかる。このようななかで食品メーカー大手は国内の約30の低温物流拠点に、トラックの完全予約システムを導入した。これまでは乗務員が各拠点で搬入受付後、入庫が可能になるまで周辺で待機する必要があった。搬入受付から入庫まで2時間程度の待機時間が発生するなど運送会社側の負担になっていた。新システムでは、トラック到着から1時間以内での入庫が見込めるとのこと。
待機を削減した時間で他荷物を運送することで運送会社の収益は向上する。
集荷、待機、積込、配送、待機、荷下し、帰車の工程において、1日、1運行が、2運行が可能となると、トラック1台当たりの日商が増収となる。一方、1日当たりの運送原価(人件費、修繕費、車両費等)は概ね固定なので、1日当たりの運送単価(収益÷運送原価)も低減することとなる。このような施策が、全業種 X サプライチェーン全体(製造・卸・小売)に普及することが労働力不足・コスト高の解消の一助になると考える。
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2024年問題、解消に向けた取組①
SCM/ロジスティクス
2022年05月23日