採用活動を早期化する企業が相次ぐ。星野リゾートは、この度大学生に対し学年に関係無く内定を出すと発表した。また、ファーストリテイリングも、同様に大学1、2学年の採用試験を認めている。どちらも、青田買いによる優秀な学生の確保を狙ったものと想定される。一方で、学生側にも就職先が早く決まることは、長期留学など、その後の大学生活の時間を自由に使えるメリットは大きい。
学生が自身の望む時期に就職活動を開始できる制度は、将来のキャリアプランを考える時期が早期化することにもなり、学生側、企業側双方に良い点が多いと考える。就職活動を大学入学初期から開始して積極的にインターンシップに参加する方もいれば、4年の夏まで部活に集中して、それ以降に短期間で実施する方もいるだろう。大学生活と将来のやりたい事を天秤にかけながら自身でキャリアプランを考える機会になる。実際、進路を考えるタイミングが早い方が、就職活動開始時点で働く意欲が高い傾向にあるとの調査結果もあり、早い段階から自身の将来像を意識することの重要性が伺える。また、企業側にとっても、採用活動が一斉に開始され手当たり次第に送付されてくる履歴書から選別するのではなく、自身のやりたいことを十分に考慮した応募者の中から選択することで、内定辞退や入社後のミスマッチが減ることが期待されるのではないだろうか。
さらに、学生時代に、働くことについての人生計画を立てることが、就職後の自己成長を促す上でも有効になると考える。厚生労働省の、労働者の働き方・ニーズに関する調査において、将来の働き方に対して、「なりゆきにまかせたい」、「分からない」との回答が半数以上を占めることから、自身のキャリアに計画を持たず日々仕事に従事している人が半数以上いることが伺える。この一つの要因として、ある時期が到来したから仕方なく就職活動を行い、採用された会社でなにげなく働いている人が多いのではないだろうか。キャリア形成の自立を促進する為にも、学生の時から職業について自問自答する機会を設け、自身のキャリアプランを考えるトレーニングをすることが重要だと考える。
終身雇用、年功序列が当前では無い現代社会において、各個人が自身のキャリアプランを考えることは必須だ。大学生の間から実施することで、計画的なキャリア形成する術が身に付く一助になるのでは無いだろうか。
- HOME
- コンサルタントコラム
- 学生時代から始めるキャリアプラン
学生時代から始めるキャリアプラン
組織/人事
2024年11月11日