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北海道、次世代半導体工場のアキレス腱

2027年、北海道に次世代半導体工場を構える半導体製造メーカの2つのアキレス腱が顕在化している。半導体製造には多くのガスや薬液が必要だが危険物に該当するものは青函トンネルは通行禁止。海底トンネルである青函トンネルは事故の危険を防ぐため高圧ガスやガソリン・灯油といった引火性液体類など危険物を積んだ列車は通過できない。このため青森で一度フェリーに乗せ替える必要があるとのこと。(おそらくチャター便の)海上輸送費用は製造原価に直接影響を与えることとなる。
もう1つのアキレス腱は電力調達、泊原発の再稼働時期の課題である。現時点では26年末再稼働の見込みであるが決定は原子力規制委員会に依存している。さらに潜在的アキレス腱として労働力確保も課題と推察される。次世代半導体工場稼働に向けて製造のためのインフラ(動力・物流・ヒト)の整備が最重要事項となっている。かなりハードルの高い課題であるが、当業界はグローバル競争であり、日本国力を代表するものである。政府の積極的サポート(制度改正及び原発対応)を含め、同社の取組に大変、期待したい。

竹本 佳弘