TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

食品スーパーの中食戦略

食品スーパー(SM)が自社製の中食分野を強化している。SM全体の販売は、経済再開に伴う外食需要の回復や巣ごもりの反動で伸び悩んでいる中、中食は数少ない成長分野(協会発表:総菜販売額は21年まで10年間で約4割伸長、22年11月SM全体販売実績が前年同月比0.8%増に比して総菜は3.4%増)。また、総菜の粗利率は40%前後とされ、20%前後の加工食品や生鮮食品と比べて高い。各社、自社製中食の増産や製造工場の増強に注力しているとのこと。

各社、自社製中食の質・種に注力するだけでは差異化は困難である。中食の数品と食材(レシピ含む)との組合わせ提案により、その日の家庭の献立を提案する、いわば、提案でその日の食卓をレストランのコースメニュー化するのである。推奨する献立食材の割引も必須である。「この店に行けば、割安で健康によい、日替わりで家族も喜ぶ」を想起させる来店客の囲い込みが必須と考える。

竹本 佳弘