TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

無人スイーツ店舗のKFS 需要発生時間 x 競合営業時間

24時間営業の無人スイーツ専門店が人気。有名店の本格スイーツやSNS映えする商品をそろえており、若者の支持を集めている。当社は全国76店舗(24/1月)を展開、来店客の7割は女性が占め、20時-零時の売上高が最高値で全体の3割を占めるとのこと。アフターコロナでギョーザの無人販売店の出店ペースが鈍化するなか、当社は出店攻勢。増収基調で23/12月は約2倍(23/7月比)、競合の洋菓子店の多くが夕方閉店のなか、深夜帯に本格的なスイーツを食したい需要を捕捉した模様。
無人店舗であるが女性客が7割でレジ盗難の危険性は少ない。利用者として、大量購入するときの対面レジのストレスも無く、豊富な品揃えと1つからでも購入できるお楽しみ感がある。
一方、当社側は冷食のため電気代はかさむものの、高単価でカバー、賞味期限が長く廃棄ロスも少ない。KFSは一般洋菓子店の営業時間である。生食ケーキも販売する洋菓子店は売切りの営業時間を設定している。本事例の無人スイーツ店は冷食品のため営業時間の制約はない。「時間」の着眼点である。需要発生時間 x 競合店営業時間の捉え方の重要性を示唆する事例である。

竹本 佳弘