REIT市場に見直し機運が高まっている。コロナ禍においては2月末から3月後半にかけて相場は大幅に下落したが、下げ一服後は戻り歩調にある。国内REITで運用する投資信託にはこの5カ月間で個人投資家から約1800億円の資金が流入したとのことだ。7月末時点でみると国内REITの分配金利回りは平均4.3%程度と、東証1部上場銘柄の配当利回り(平均2.4%)を大きく上回る。REITの投資対象である不動産物件の価格と賃料は上昇。収益の伸びに伴い分配金が拡大したためとみられている。
コロナ禍においては、オフィスビル及びホテルの需要が激減、一方、ネット通販の普及は保管倉庫などの物流施設には追い風となる。この5カ月の騰落率をみると、東証REIT指数は約17%の下落、内訳をみると東証REITオフィス指数は約30%の下落、東証REIT住宅指数は下落率が約1%、東証REIT商業・物流等指数は、同約6%とのことだ。
さらに、東証REIT物流フォーカス指数という物流施設のREITに特化した指数をみると、7月時点ではコロナ禍前の水準にまで回復している。また、前述の東証REIT商業・物流等指数はコロナ禍前の水準には未達ではあるが、4月以降は回復基調である。このようにREITもミクロでみると当面、物流REITは活況といえる。しかし、先日のコラムに寄稿した通り、今後のネット通販業界の淘汰により、物流REIT市場も変動していくと考える。
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東証REIT物流フォーカス指数
会計
2020年08月17日