グローバルコンサルティングファームのボストンコンサルティンググループの発表では、2017年時点の日本の乗務員数(ドライバー)83万人に対して、2027年には24万人のドライバーが不足するとしている。労働力不足が進む中で物流コストの高止まり、あるいは高騰は落ち着く兆候はない。物流コスト抑制の方策として、弊社では宅配便のエリア代表制を提唱したい。国土交通省(国交省)が実施した、宅配便再配達率の定点調査によると、2018年10月度の再配達率は15.2%だった。前年同月の調査(2017年10月度)と比べて0.3ポイント改善したと公表している。改善したとはいえ、まだ再配達率は高位である。宅配業者は、宅配ボックス設置やドローン配送等の対策を講じているが、宅配ボックスは設置か所が限定される、ドローンはマンション群に住む顧客には不向き等、再配達削減の抜本的解消にはならない。ここで弊社が提唱するのが、宅配便のエリア代表制である。エリア代表制とは、配達エリアを例えば、住所のXX丁目からXX丁目までのA区画と設定する→その上でA区画は宅配業者A社が配達担当業者と限定する(この場合、宅配便業界主導で協議するか、あるいは国交省も関与することが前提)→各宅配業者はエリア代表の宅配業者の集配センターに荷物も送り込むというスキームである。現行のヤマト運輸、JP、佐川急便等、各車両がA区画を同時並行にて配達するのではなく、エリア代表の宅配業者が配達することにより、配送密度が向上して、宅配業者側の運送コストが低減される。また顧客不在の場合は無料の当日再配達は廃止のもと、翌日の配達の際に再配達する。宅配業者として担当エリアは毎日配達するだけの物量があるため、再配達コストは現行より低位に抑えられると考える。なお代表エリアは年度単位で宅配数量を評価の上、宅配業者間で代表エリアを再編するのである。
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宅配便のエリア代表制の提唱
経営戦略
2019年06月12日