TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

DXの目的、接客回帰に向けたメニュー改革 x DX

外食チェーンの接客回帰に向けた改革事例を紹介する。当社は22/10月にスーパーバイザー制度を新設、FY22期初に140あったメニューの数を3割減らし、100程度まで搾った。「大盛」の提供中止も目的は接客を改善するとのこと。メニュー数削減に加え、DXも推進中。23年春ごろからQRコードとスマホを使った注文方式を導入、FY24までに全店舗に導入する方針。セルフレジも同期中に全店舗に採用する計画。
DXを進めるのは人手不足対策に加え来店客数が増加のなかで失われた従業員の余裕を生むためでもある。QRコードやセルフレジの導入で従業員の手間が省けることで回転率が高まり、売上高は数%伸長の模様。
スーパーバイザー制は社長直轄とのことで迅速決裁・実行と推察される。着眼点は接客回帰である。顧客の様子、ニーズをしっかりと捕捉する労働環境を整備することが売上につながるという信念である。そのためのメニュー改革、DXという考えである。本事例はDXの目的を新規事業・新規顧客・新規メニューの開発ではなく、従前からの企業活動のKFSである接客に回帰している点が重要である。

竹本 佳弘