TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

名刺情報からの顧客プロファイリング

 先日ニュースで、生年月日から占う性格診断を利用した営業補助サービスが紹介されていた。動物占いと統計学を組合せることで顧客を3つのグループに分類できるとのこと。その顧客グループに適したコンセプトのパンフレットをダイレクトメールした結果、従来のサイト閲覧率は0.5%に対して、6.4%まで大幅上昇する成果を得られた様だ。相手の情報が限定的な中で、基礎情報から相手の趣向をプロファイリングできれば、営業活動の補助になると考えられる。
 そこで、同様のことが簡易的に出来ないかと、大量のデータからAIが答えを導き出すChat-GPTに、会食のセッティングを想定して、会食相手に応じた料理ジャンル・料金帯を推薦してもらうことにした。まずは、生年月日を用いた場合だが、残念ながら年齢を基準とした料理ジャンル選択で、個人の趣向と一致しているとは言い難い回答であった。次に、名刺記載情報を中心に、「役職、勤務先業種、部署、年齢層、性別」で試みることにした。すると、具体的な料理ジャンルや、料金帯が示され、経験値の高い人へ相談したのと同様の結果を得られた感じた。例えば、「メーカー勤務・課長代理・経理部門・40代」では、「落ち着いた雰囲気で会話しやすいお店が適しており、品のある和食割烹などがお勧め」と回答あり。一方、勤務先を「商社勤務」と変更したところ、「ビジネスマナーに精通しつつ、合理性やコスパを意識。モダンフレンチなど」が選択肢として回答あり。個人に対する趣向では無いものの、何となく腹落ちできる特徴を捉えた回答が返ってきた印象だ。
 もちろんこの情報が100%正解とは言えないだろうが、過去実績や経験に基づく参考情報が無い状況下においては、簡易的にプロファイリングできるのは非常に有用なことだと考える。商談確度向上の一助とすべく、面談前に相手の性格や関心事項など問合せてみるのも今後の営業手法の1つかもしれない。

民谷 成