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共同物流の新機軸

製紙メーカ、飲料メーカ、建材メーカ、ドラッグストア等、異業種5社が2024年内にも共同輸送を始める。物流2024年問題を背景に、積載効率向上に向けた異業種の戦略的連携が拡充とのこと。共同輸送には5社が導入済の物流スタートアップ企業の運行管理システムを用いる。トラックの発着地域や時間、荷物量などの情報を共有し、共同輸送できるルートを割り出して積載率を上げる。各社で異なる繁忙・閑散期の荷物量を把握し、季節に応じて最適な荷物の組み合わせや運行ルートを自動設定する。また各社に不利益が出ないようにするため、外部の専門家を交えたガバナンス委員会を通じて管理するとのことだ。
これまでの共同物流の主導者の変遷は、同業種主導→物流会社主導→アマゾン等の物流網の相乗り→今回のITプラットフォーマ主導と共同物流の選択肢が拡充している。本事例の5社はすでに同じ運行管理システムが稼働しており、ITプラットフォーマが混載便を設定するとのことだ。当プラットフォームがデファクトスタンダードになると、参画する顧客(荷主)、運送会社も急増すると考え、本取組の成功を祈りたい。またガバナンス委員会にて、これまで共同物流を破談にしてきた、荷量 x 納品条件踏襲によるえこひいきを制御する取組も注視したい。

竹本 佳弘