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ビジネスエコシステム変化の兆し ー農機のパソコン化の回避ー

農機メーカ大手が農機のパソコン化(ハード売りからソフト、CPU売りに競争軸が変化した歴史)の回避に向けて、設備投資、企業提携、人材確保の攻勢にでている。背景は農機の自動運転において、GAFA等の新規参入者の脅威である。当社は25年までの5年間で5000億円の研究開発費を投じる、20年までの5年間に比べ2倍の規模。ITエンジニアなどの採用は大幅増で24年は630人(19年の2.5倍)の中途採用予定とのこと。
当社として、これまでは農機自体のハード面の性能が競争軸であったが、これからはAI、GPU、自動運転技術等のソフトとソリューションに競争軸が移行すると考えている。このため欧米企業との戦略的提携を加速しているとのこと。
従前の農機という箱売りではなく、中身(頭脳)の勝負ということである。この競争軸の移行は建機、トラック等の陸空海の全ての運搬用機器にあてはまる。当業種の日系企業は頭脳を取られる前に(ビジネスエコシステムの変化に直面する前に)、差別化戦略の見直しが必要である。

竹本 佳弘