TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

レジ袋有料化によるビジネスエコシステムの変化

レジ袋の有料化が開始された7月以降、CVS大手3社によるとレジ袋を辞退する来店客の割合が全体の7割超に達したとのことだ。有料化を機に、3点以上の購入でも手で抱えていく人が増えたとのこと。日本人の節約志向の顕在化であろうか、ビジネス街でもランチ時に弁当を手に抱える人をよく見かける。
一方、レジ袋業界では有料化による廃プラ排出量削減効果は限定的と見ている。日本の廃プラ排出量は年900万トン。うち400万トンが容器の包装で、レジ袋はその中の20万トンにすぎない。政府は環境対策の主要施策としてレジ袋の有料化を実施したが、残りの380万トンの削減策はまだ公表していない。
レジ袋有料化はCVS本部としては、CVS加盟店の幾ばくかの収益向上を期待し、またレジ袋メーカーでは一部納価改善を期待したと考える。しかし、期待に大きく応えることはなく、レジ袋市場はシュリンクしている。レジ袋を含むプラスチックフィルム製造業界は、6割以上が売上高5億円未満の中小企業集積業界といわれている。今後、レジ袋メーカー大手3社を中心とした業界再編の可能性がある。中小メーカーの卸・配送機能へのシフト、さらには大手3社自体も事業ポートフォリオの見直しが求めらると考える。

竹本 佳弘