中小企業の後継者不足が深刻、M&Aによる事業承継を手助けする事例が活発化している。中小企業庁の試算で、2025年までに平均的な引退年齢とされる70歳を超える中小の経営トップが245万人となり、うち127万人が後継者未定とのこと。民間調査機関によると、22年に休廃業・解散した中小企業のおよそ55%が黒字廃業。官民が力を入れているのがM&Aを通じた事業承継の支援。中小企業基盤整備機構によると事業承継に関連した中小のM&A成約数は22年度に1681件と5年前から2.4倍に増加とのこと。
秀逸な日本企業の事業承継支援策は大変重要であり、本事例は奏功している部分もあると考える。しかしながらM&Aのプレイヤーも資本力、スキル人財の観点では限界がある。ここでファンドが近しい業種の事業承継においてHDを設立、一定期間事業運営するのはどうだろうか。近しい業種の被買収企業をHD傘下に配置、各業種のプロフェッショナルを役員として派遣する。HD傘下企業を統括し、効率的な資本配分(人財・資金)し、経営管理を実施するのである。