TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

ネットスーパーの今後

過日のコラムでGMS最大手がネットスーパーの次世代大型拠点を23年開業に向け準備していることに言及した。英国企業と提携し、AIとロボットを駆使した最先端の大型自動倉庫を稼働させる。24時間稼働のピッキングロボットにより、最大5万品目の商品群を、約6分で50商品をピッキングするとのことだ。
また世界最大手の米国企業では17年から1500店舗に整備してきたオンライン注文品の受け取り専用のピックアップタワーを廃止する。コロナ禍で店舗内での受け取りよりも、駐車スペースで受け取るカーブサイドピックアップの需要が急増しているためとのことだ。
資本力のある大手各社はネットスーパーへ施策を打ち続けるが、投資先行型となるネットスーパー事業の収益性は以前として低い。
一方、資本力の劣る企業のネットスーパーでは店舗ピッキングと宅配の組み合わせとなるが、受注規模も多くはなく、且つ店舗でのピッキング効率は悪く、収益性はさらに悪化する。
ここで店舗でのネットスーパー対応を考えたい。店頭在庫の設置、ピッキング効率を考えるのである。物流倉庫における出荷頻度別の在庫配置とは異なり、店舗では商品カテゴリー単位の陳列(在庫配置)となる。ネットスーパー受注品をピッキングする際は商品が点在しているため、ピッキング効率が悪い。
このため、受注品を集約陳列(在庫配置)できる商品販売に絞るのである。ネットスーパーでは、AIあるいはインフルエンサーの推奨するミールキッド、セット品に販促を絞り、値ごろ感ある価格で店内陳列する。推奨者の信頼 X スーパーの品質・価格保証 X 顧客の選択容易性を組み合わせて、受注拡大・収益性向上を狙うのである。

竹本 佳弘