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ドラッグストアのCVS化

小売業の中でドラッグストアが存在感を強めている。大型店新設の届け出件は2022年に全体の45%をドラッグストアが占め、10年前から26ポイント上昇。ドラッグチェーン大手(当社)は、131件と最多で、上位21社に同社を含めてドラッグストアが9社入ったとのこと。当社は店舗面積が1000平方メートル超の大型店を中心に出店し、23年1月末の店舗数は1306店に達し、10年間で2倍以上に増やした。売上の約6割を食品が占め、一般的なドラッグストアの約2割を上回るとのこと。

ドラッグストアは周知の通り、ドラッグの収益性の高さから、食品の低収益性を補完して、集客を高め、売上を積み上げている。一方、業務効率観点では食品SMのキャッシャー、発注・品出し等のオペレーションと同レベルには至っていない。薬剤師が常に品出しという光景も散見される。当社等の成長企業では自動発注、自動精算等のIT投資と、機能の多様化により、さらなる集客を狙っている。将来的にはCVSのような多様な公共サービス、銀行、通販宅配等の機能追加により、全世代のワンストップサービスを提供すると推察される。

竹本 佳弘