TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

デジタルアウトソーシング

 これまで3回にわたって紹介したデジタルトランスフォーメーション(DX)における方策として、今回はデジタルアウトソーシングを紹介する。これまでのバックオフィスやミドルオフィスの業務アウトソーシングとは異なり、デジタルアウトソーシングは中間管理職層の変革である。この変革は、世界的な経営学者ヘンリー・ミンツバーグ教授の考えであるミドルアウトの領域である。ミドルアウトとは、組織に変革をもたらすのは、現場に近いところにいて、現場に関与しているミドルマネジャー、つまり中間管理職である。変革は”ミドルアウト”によって達成される。トップダウンでもボトムアップでもない、”ミドルアウト”。上も下も見えることで、全体像をとらえて、最適なマネジメントを行うことができる優秀なマネジャーが変革の鍵を握っている」というのが、教授の考えである。しかし、現在の日本企業においてはミドルマネジャーが不足していると考える。これはミドルマネジャーの上長がプレイングマネジャーを兼務して、やや属人的な業務遂行・管理を長年継続した結果、ミドルマネジャーが組織を管理することに主力を置き、業務遂行におけるノウハウが継承されていない。この結果、その上長が引退したとき、残されたミドルマネジャーが部下や業務の評価、判断ができない、また、経営層に上がる情報が遅く、且つ明確でない場合がある。絶対的な労働者不足と活況な転職活動の2極化現象も影響して、あるいは育成する環境が不足している。デジタルアウトソーシングはそのミドルマネジャー層の業務も含めてAI等の先進技術で解決する方策である。(デジタルアウトソーシングの内容は弊社までお問い合わせください)

竹本 佳弘