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ジョブ型人事制度の勘所

医療機器大手が2023年4月から国内一般社員を対象にジョブ型の人事制度を導入すると発表。19年度から国内管理職1500人超を対象にジョブ型を導入しており、これを一般社員にも広げるとのことだ。
ジョブ型は職務の内容を明確に定義したうえで、その責任と権限に見合う報酬を与えるもので、ジョブ型を先行導入した管理職では、仕事上の成果を追い求めるマインドセットが確実に変わったとのことだ。
これまでも成果主義から、裁量労働制、ジョブ型等、複数の人事制度の導入事例があった。いつも課題の1つとなるのは評価者の評価能力である。
日本企業のなかでメンバーシップ型で育ってきた管理職(評価者)がジョブ型等において適正評価することや、その評価者をトレーニングすることに懸念がある。管理職を評価するのも、部下を評価するのも、いまのままでは困難である。
当然ながら新制度導入のメリットはあるが、制度定着するためには勘所がある。まずは被評価者に対し、評価するKPIを設定する。次に各KPIをつなげて部門全体のKPIツリーとする。最後に当KPIツリーを管理職(評価者)自身の評価項目とし、部下の各KPIを上げるために具体的指示、施策を実施する。
当然、KPIツリーは企業のKGIと繋がり、部下、管理書の頑張りが企業業績に連動し、経営者も社員を評価できるのである。

竹本 佳弘