TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

サブスク型低価格ジムのKFS

2022年開始の低価格ジムの店舗が急拡大している。24/5月時点で店舗数は1,500店。将来的にCVS並みの1万店舗以上の展開を目指すとのこと(26/3月期目標は2,800店)。そのためコインランドリーやカラオケ等のサービスも検討している模様。月額2,980円のサブスク型で会員数も急増、120万人超(24/5月時点)でフィットネスジム会員数で国内1位。
一方、課題は臨店による環境品質の維持である。事故防止や早期対応のためAI付監視カメラを複数設し、遠隔監視センターでモニタリングするも、SNSではホワイトニングを予約したらその時間に別の客が無断使用していた、マシンが汚れていた、故障していたといったクレームも散在。もう一つの課題は運営費構造である。顧客のマンネリカ防止のためのサービス拡充の都度、コスト増加する仕組みとのこと。
昔、「すきま時間」の有効活用というトレンドワードがあったが、そのニーズと美容含めた多種のサービスを少額・定額で利用したいというニーズを汲み取って、当事業は成長基調にある。当面、現行サービスでジム過疎地へ出店する「量の戦略」で成長基調は維持するも、今後はマンネリ化回避のためのサービス拡充する「質の戦略」は必須となる。
当社は三日坊主ビジネスと表現している通り、ジム利用者は健康志向と言いながら、飽き易く、継続には低欲望である。このためのサービス拡充である。定期的なサービスの組み換えは実施するとのことだが、ジムのスペースは有限である。館内だけの提供ではなく、提携先の別ロケーションでの新サービス提供も組み合わせる必要がある。利用者のジム使用頻度に応じて、他のサービスを享受できる仕組みである。

竹本 佳弘