グローバルコンサルティング企業大手は日本法人本社に工場のミニチュアを併設した拠点を設けた。体験型の場を設けることで利用シーンのイメージが容易となる。AIによる検品装置、生産ラインの動作状況の可視化技術や画像解析のツールなど、ミニチュアのデモを顧客に見せながら議論を進め、部門横断的な共通認識を醸成するとのこと。
これまでは機器メーカー、SIer等のアセットを持つソリューション企業が自社のショールーム、ラボを活用して顧客に訴求してきた。この事例はコンサルティング企業が提供するものだ。コンサルティングの構想、計画策定フェーズでは具体的議論が困難な場合もある。しかし、このミニュチュアでは顧客の実務者(現場)を巻き込んで具体的な議論ができると考える。結果、後工程(実装、稼働フェーズ)での認識齟齬、手戻りを回避するということである。
コンサルティング企業がここまで具体策を実施する背景には、当然ながらコンサルティング企業に対し顧客がより具体性を求めていることと、顧客側もAIやソリューションを自社活用することで、部門別ではある程度課題解決できる一方、戦略の追随性及び部門横断的な一貫した解決策を求めていると推察される。