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コロナ禍における靴下業界の打ち手

靴下メーカー大手の経営者のインタビューコメントから戦略の方向性を考える。
経営者のコメントとして「靴下業界は生産工場や卸、小売りのいずれも、もうかっていない。消費者にとって靴下の価値が低いのが原因だ。このままでは靴下業界は消滅しかねない。コロナ禍において外出自粛が広がり、靴下の需要が落ち込んでいる。靴下の価値を高める必要がある、締め付け感が弱くてもずれにくい靴下など、機能性の高い商品の販売に注力する。」とのことだ。
これまで靴下業界はアパレルブランドのライセンス生産、キャラクター品の生産、ビジネスマンの通勤靴下等の定番品の生産などがあったが、全て「外着」である。コロナ禍においては「部屋着」としての機能を装備した靴下を生産することが戦略の方向性と考える。
部屋着機能とは履くとリラックスできる靴下ではない。外出自粛における在宅でのニーズから機能を考える発想の転換である。
運動不足の現況において、午前中、室内で履くだけで疲れる、運動になる靴下。テレカンで座っている時間が長い現況において、履くと姿勢がよくなるスリッパのようなソール付き靴下。メイクがあまり不要な現況において、美容液メーカーとコラボした、液を付けて履くと新陳代謝が上がる靴下などである。このような発想の転換からコロナ禍での在宅における活用ニーズを洗い出してみるのはどうだろうか。

竹本 佳弘