日系半導体大手が同業米系大手の買収を決めた。同社は海外企業の買収を繰り返して事業の厚みを増し、それをテコに収益力と成長力を取り戻した。買収の魅力の一つは人材の獲得。同社のシニア経営陣は被買収企業出身の幹部がほぼ半数を占め、国際色豊か。相手企業の人材を包摂することで、多様性に富んだ経営チームが自然形成されたとのこと。
日本企業の海外企業買収は、これまでグループ連結会計として売上だけを合算する買収が散見された。結果、事業シナジーはなく、人財も被買収企業に2‐3年取締役として就任する腰掛人事となる場合もあり、本気で現地企業を事業運営・成長させるモチベーションが効かない。同社の事例はグローバル展開した日本企業のKFSの1つと考える。国際色豊かな経営陣の戦略はグローバルエリア戦略 x 事業戦略と展開され、組織・人財は戦略に追従するのである。