エレクトロニクスメーカー大手が、先月末に米国SCMソリューションベンダーの買収を完了した(買収総額8600億円超)。
オートノマス・サプライチェーンというコンセプトでAIエンジンを活用してサプライチェーンの混乱を自律的に予測、解決させるとのこと。
店舗での商品の売れ行きをもとに工場に生産品目の優先順位を伝えるほか、取引先の工場の稼働状況や気象といった外部データも取り込んで供給網のリスクを分析する。
これまでも、当エレクトロニクスメーカーや、競合他社は、自社のソリューションを結合させて、サプライチェーン一気通貫のソリューションを提案してきた。しかしながら、個別ソリューションの結合のため、必ずしも顧客企業にとって最適解とは言えなかった。
グローバル展開する顧客企業の現地ビジネスのサポート機能としては日本製の結合ソリューションでは事足りない場面もあった。また、AI関連の進化は速く、自前の開発、導入には、費用、人材面で限界がある。今回の買収はその機能補強的買収と捉えている。
今後の課題は、どのように、当ソリューションを展開、定着し、SCMソリューションのディファクト・スタンダードにするかである。
ここで、最初から当ソリューションをサプライチェーン全体に解放するのはどうだろうか。
顧客企業にとって、まずは初期投資が重くならないように、クラウドやサズスク型のサービスが必要である。且つ、1社限定の導入ではなく、サプライチェーン構成企業の複数社に導入、ある程度は顧客企業側で機能設定・改修・追加できる環境を提供する。
さらに企業群への導入が増える毎にクラウドやサブスク料金を引き下げるのである。顧客企業を増やし各社のシステム費用を薄めながら、ディファクト・スタンダードを構築する。かつての「intel inside」のように当SCMソリューションが当たり前のようにSCMにおいて装備されている環境をつくるのである。
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オートノマス・サプライチェーン
AI
2021年10月04日