コロナ禍において、2020年の中国産野菜の輸入量が過去10年間で最少となった。飲食店の閉店・倒産も多く、輸入商社や業務用卸など流通業者の経営を圧迫している。日本は野菜の国内流通量のうち約2割を輸入に頼る。輸入のおよそ半分が中国産で、ネギやニンジンのほか、調理の手間が省ける皮をむいたタマネギやニンニクが多い。飲食店や加工向けなど業務用で定着しているとのことだ。コロナ禍においては国産の野菜相場も低下、農畜産業振興機構調査では都内4市場の国産野菜全体の昨年末の平均価格は09年以来の安値だった模様。
ビジネス景況の見方において、実態を表す一致指数として、このような食材の輸入量及び価格相場の変化を注視することは重要である。また、食品トレーの生産量も一致指数である。あるトレー製造企業は昨年春頃の生産量は、前年同期比1.3倍増、5月では2月の5倍とのことだ。それ以降も増加の一途ということである。コロナ禍において、身近な指標を選定し、指標の増減を組み合わせて景況を把握するのも一手と考える。