クラウドファンディング(CF)企業の出口戦略として顧客である融資先へバリューチェーン機能の提供が加速しそうである。CF企業大手が小売大手と提携し、融資先企業が継続して販売できる仕組みを整備中、また他社との提携も積極化する。
当社は昨年末に百貨店大手と資本業務提携した。CFの融資先企業が、百貨店大手の決済や物流機能を使える体制を整える。また、ECサイト開設支援大手とも同月に提携し、継続して製品を販売できるよう支援するとのことだ。
これまでのCF企業は融資先からの手数料、金利収入で賄ってきたが、CF業界での競争激化のなか収益性が低下。融資先に「カネ」だけではなく、「ヒト、モノ、コト」のバリューチェーン機能を提供し、サービスの差別化と顧客の成長による追加融資を狙っている。特定株主からのファイナンスではなく、CFを活用することにより、融資先企業として事業の独立性は担保可能と考える。
CFという金融を顧客接点の入口として入り込み、顧客のバリューチェーン(マーケティング、受注、物流、会計等)を出口として提供、さらに顧客の成長に応じて追加融資で入口に戻るという循環型のビジネスモデルの確立を期待する。
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クラウドファンディングの出口戦略
ファイナンス
2021年01月24日