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事務機器共配の成功要因

事務機器メーカー約15社は機器の共配をめざす。3月までに実証試験を始める。実現すれば配送車両台数が3分の1以下になるとのことだ。コロナ禍における在宅勤務により、オフィス向け複合機器事業の業績不振と、従前からの物流課題である乗務員不足を背景に共配を試行する。
期末集中型の出荷傾向や、地方での配送密度の低さもあり、各社が個別配送するのは非効率と、従前からの指摘がある。また車両台数削減(CO2削減)はIR上、ESG投資対策の一環でもあるとのことだ。
各社が複合機やプリンターを一旦、共配センターに輸送後、共配便で設置先のオフィスや工場に機器を納品する。機器の据え付けや設定作業などは各社の作業員が引き続き担当する。
共配はこれまでも他業界で取り組んでいる。しかしながら、各社、物量が異なる一方、出荷は期末(3月)、月末に集中するため、共配便の運行が組めないケースがある。共配の成功要因は、共通ルールを定義の上、運行計画を立てるコントローラー機能の発揮が求められる。また、設置作業も共同運営体制による対応が、効率的と考える。「物流は共同で、競争は設置後で」ということだ。
さらに機器設置後の競争は、資料の印刷、電子保管等のドキュメントソリューションではなく、事務機器を経由する情報・ネットワーク・AIを組み合わせたデジタルソリューションが主流になると考える。

竹本 佳弘