TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

IT企業の物流機能子会社化

韓国において、ネット最大手と食品や物流、エンターテインメント事業等を運営するコングロマリット企業が包括提携する。相互に株式を取得、ネット通販やコンテンツ配信などで協業するとのことだ。提携によりネット最大手が抱える漫画コンテンツの映像化や、自社プラットフォームを通じた配信を検討する。VRやARといった次世代コンテンツの開発・流通に展開する目論見とのことだ。
ネットの世界で利用者に新しい体験を提供する上で、物流機能を駆使してリアルな体験(商品購入、使用)も提供する考えである。ネットの世界を主導する企業が物流機能の強化により、リアルの世界につなげて、顧客に新たな体験を提供することは成功要因の1つである。ネット企業の物流機能子会社化である。
では同様の動きが日本でも起こるであろうか。日本では宅配会社大手が既に全国に緻密な配送網を構築しているため、宅配会社大手の観点ではIT企業の物流機能子会社になることはメリットが少ないと考える。しかしながら、今後、特定のIT企業の寡占化が加速する場合は、宅配会社として、そのビジネスプラットフォームへの便乗も否めない。

竹本 佳弘