TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

デザイン思考とコンサルティング

SIer大手がデザイン思考の知見を備えた専門人材を今後3年間で1,000人育成すると発表した。顧客の潜在的ニーズを掘出し、課題解決策を提案するコンサルティング事業を強化する狙い。付加価値の高いビジネスモデルを構築し、収益力を高めるとのことだ。顧客にとっては、潜在的課題の発掘及びアイデア創出などが期待できる。試作品の開発や検証を繰り返すため、プロジェクト遂行中の柔軟な方針転換や、納期短縮につながるとのことだ。
デザイン思考とは、デザイナーの仕事の進め方を応用して新しいサービスやビジネスを創ろうとする考え方。米国大学デザイン研究所が提唱するデザイン思考の5段階は、共感⇒定義⇒概念化⇒試作⇒テスト(検証)ということだ。
5段階において最重要なのは、顧客の行動を理解し、何がニーズ、問題かを導出する、共感と定義である。この2つの段階を迅速、適格(顧客にとって)に実施することで、後段の適正な試作品の検証が実現すると考える。また、共感と定義のスキルはコンサルティングの基本スキルである。デザイン思考の知見を習得するだけではなく、顧客現場で共感と定義を確実に実践することにより、プロジェクトを成功に導くことが可能となる。

竹本 佳弘