7/22の東京市場で、REIT相場が逆行高となった。物流施設に投資して賃料収入を得る物流施設投資大手に資金が流入、時価総額が、オフィス型REIT大手を抜いて首位となった。2001年の市場開設以来、初めて首位の座が入れ替わった模様。株式のPBRに相当するNAV倍率を見ると、7/22時点で物流施設投資大手は1.6倍と、目安とされる1倍を上回る。REIT市場観測では物流REITは期待先行で過熱気味ではあるが、ネット通販が伸びるなど社会構造の変化が追い風になった結果とのことだ。
ネット通販企業の成長に応じて物流施設の建設ラッシュが継続している。さらに巣ごもり消費でネット通販業界は活況が継続すると考えられる。2020年Q1の首都圏大型マルチテナント型物流施設の空室率は前期の1.1%からさらに低下し、0.5%となっている。
将来的にはネット通販業界の中での競争も激化し、差別化要素の少ないネット通販企業は、淘汰されると考える。淘汰されるネット通販企業は新設物流施設から転出する一方、新設物流施設の賃貸料をまかなえる他業界企業の転入は期待薄である。今後、物流REIT市場の動向に注視すべきと考える。
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物流REITの活況と今後
SCM/ロジスティクス
2020年07月27日