働き方改革の推進や、この度のCOVID-19への対応に伴いテレワークの普及に拍車がかかる中、管理職は部下へのマネジメント手法の見直しが求められる。
リクルート社が実施したテレワークに関するアンケートによると、テレワークを経験している半数以上の管理職が、部下のパフォーマンスをマネジメントできないことを不安に上げている(テレワーク実態調査結果:「部下がさぼっていないか心配である」(56%)、「部下に必要なときに業務指示を出したり、指導をしたりしづらい」(61%))。これはおそらく、これまで部下の行動や態度を見ることで得ていた情報や、その場にいることで適宜指示できていたことが、テレワークでは出来なくなったことによるものだろう。
そこで、今後、テレワークが増加する職場環境において、部下をマネジメントする上で2つの要素が重要になると考える。1つ目は定量的評価の見直しである。多くの企業は目標管理制度を導入し、定量的指標を個人目標として設定してるが、さらに拡充(結果指標だけではなく、経過指標など)、具体化(週次の作業計画、ゴールなど)する必要があると考える。行動を把握することができない部下に対しては、会社に対する貢献度を、数値や目に見える成果物で表してもらう必要がある。また、部下同士がお互いの行動を見ることが出来ない中で上司からの評価に納得感を持たせるためには、評価軸に公平性をもたせることが重要になると考える。2つ目が部門業績に直結する行動指針を設定することである。いわゆるプロセス評価を明文化することで、部下たちに何をして欲しいか明確に伝えるのである。これにより部下の目に見えないところでの行動を管理することが出来る。また、業績には繋がらなかった部下たちの頑張りも正当に評価することが可能になり、彼らのモチベーションを高めることになると考える。
この2つを組み合わせた、「部門業績に直結する定量的な行動指針を部下に設定すること」、これがこれからのマネジメントに求められるのではないだろうか。
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テレワーク下のマネジメント
組織/人事
2020年05月08日