TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

値上げに踏み切る外食チェーン

商品・サービスの価格設定はビジネスモデル構築の重要な要素であり、その成否は市場における競争の勝ち負けに直結する。人件費や食材の高騰を機に、低価格路線で勝ち組となっていた大手外食チェーンが値上げに踏み切った。低価格路線には限界がある一方で、価格に競争力があった企業にとってこれは大きな戦略の転換である。集客力を落とさないためには、「高くなったけど美味しくなった、または、サービスが良くなった」(より一般的には、「高いけど良いもの」)と顧客が付加価値を感じる施策をセットで打ち出すことができるかどうかが重要である。「やむを得ない値上げだからお客様には我慢してもらうしかない」というようなあぐらをかいた経営には消費者は敏感である。価格を見直す理由は企業や業界により様々だが、いわゆる適正価格を決めるのはいつも消費者である。今後の各社の動向に注目したい。