24年10月、総合商社大手がSNSの投稿内容などから消費者の好みの変化を分析するAIの提供を開始。食品メーカーが商品開発に活用するシーンを見込む。SNS向けの広告作成の代行事業なども手がけ、数年以内に100社へ提供して売上高10億円を狙うとのこと。これまで商社がAIエンジン企業への出資、あるいはJVで新サービスを提供するプレスリリースは散見されたが今回は自社がAIエンジンを活用して新サービス提供とのことだ。また売上高10億円では商社ビジネスとしてはスケールが小さいので別の狙いがあると考える。商社のIT企業化である。
過去のコラムでメーカーのIT企業化に言及したが本事例は商社のIT企業化の序章と捉えている。消費財における商社のグループ企業及び顧客に対し、商社ビジネスの入口戦略として、本事例のAIエンジンを活用して商品開発を支援することで、必要な原材料、レシピ(指定工場)、販路を提供する商・情・物・金流のサプライチェーンマネジメント企業に変革する狙いである。サプライチェーンすべてをAI、ITのプラットフォーマーとして提供するIT企業化である。今後の本事例の展開を注視したい。
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商社のIT企業化
2025年01月20日