TIC | 株式会社東京コンサルティング研究所

ファミレスのKFS

複数業態(ブランド)を運営するファミレス大手HDが24/12月期の連結純利益が前期比約2.7倍の130億円になると発表。メニューの見直しなどで客単価が上昇、採算が改善とのこと。人気アニメとのコラボした期間限定商品などが好調の要因で、人件費や原材料高を増収効果で吸収した。アフターコロナの施策が奏功している模様で、23/12月期の決算報告で以下の施策を発表している。
1)十分なテーブルサービスを提供できなかったことを反省、人員強化のため前年比140%の採用を行い、1人当たり20時間のトレーニングを設定
2)グランドメニューを大刷新、消費動向を反映させた高コスパメニューを各ブランドに導入
3)低単価のサイドメニュー、アルコール商品の値下げ、割安価格のセットメニューの提供により、もう一品の注文を喚起、注文皿数増による客単価上昇
4)小皿商品充実により、様々なシーンでの使い勝手が向上したことによる来店頻度の増加
各施策には人財育成、絞り込み的単品管理、ラインロビング的需要創出等のKFSが入り、示唆に富んでいる。KGI-KPI-施策ツリーを的確に設計・実行していると考える。今期12月の決算報告を注視したい。

竹本 佳弘