厚生労働省は2024年度から中小企業に手厚いリスキリング支援を開始。学び直し時の人件費補助を中小企業は大企業より単価と上限時間を3割高（中小企業960円／大企業760円）にする。支給は日（6千円）ごとから時間単位（960円）に改め、時短勤務での学びに対応する。他社への出向による学び直しの支援制度も設ける。

日本の労働力確保、AIに負けない付加価値性向上の観点でリスキリングは重要施策の1つである。しかしながら、そもそも労働力不足、人財不足の中小企業においてリスキリングの余力があるのか懸念が残る。ここでサプライチェーン構成企業全体でのリスキリングの協業はどうだろうか。中小企業に対してはリスキリング費用の支援ではなく、取引先大企業に派遣し、労働する、その費用を行政が支援する。中小企業側は大企業での実績蓄積、ノウハウ習得、取引強化につながる。一方、大企業側は中小企業人財が代替した時間を使用して本格的なリスキリングを実施するのである。