企業の見せかけの環境対応「グリーンウオッシュ」を規制する動きが世界で進んでいる。日本でも消費者庁が2022年12月、「土や海にかえる環境に優しいプラスチックを使用」と表示した生分解性プラスチック製品を販売した10社に、十分な根拠がないのに自然に分解されるかのように表示したのは景品表示法違反(優良誤認)にあたるなどとして、再発防止などの措置命令を出している。
米国でも格付け会社大手が信用格付けリポートに記載していたESGの定量評価について公表を取りやめる。米政党保守派層で反ESG投資の機運が強まるなか、米国の政治や社会の分断は格付けという投資判断を支えるインフラにも影響を及ぼすとのこと。
見せかけの環境対応においては、環境配慮の実態がない、あるいは環境配慮に資する原材料、原動力活用の前工程が実は環境悪化を招く、さらには環境設備投資が回収の見込めない環境悪化を招く等の環境対応の実効性が問われている。今後、ESGを主たる事業方針として開示する前にサプライチェーン上の全ての企業の活動が環境に資しているかを評価・公表する仕組みであるサプライチェーン・ガバナンスが肝要と考える。