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ホームセンターの戦略の方向性

ホームセンター大手が2021年12月、同業を買収、22年3月に完全子会社化すると発表した。買収額は200億円超とみられる。
被買収企業は、都心部を中心に国内外で86店舗を展開、21年3月期の連結売上高は前期比35%減の631億円、営業損益は44億円の赤字(前期は1億8100万円の黒字)とのことだ。
ニューノーマルの状況下では業績回復すると推察されるも、買収額の多寡には議論があると考える。
当業界の潮流として街中への出店がある。日系及び北欧系のホームセンター企業も街中出店を加速している。狙いは若年層の取り込みということであろうか。今後も街中、駅中への出店戦略に注視したい。
一方、この被買収企業は同業社とは異なる特性があると考える。1つはバイヤーの目利き、もう1つは親会社の不動産(入居ビル)の有効活用である。
バイヤーは少数精鋭、国内外の商品探求力・調達力は競争力の源泉と考える。また親会社管理のビルにテナント入居することで賃料面では厚遇されていたと推察される。
買収企業は商品開発力・調達力、魅力的売場創り等の面でシナジーを期待していると推察されるが、前述の特性を買収後も維持できるか、PMIのシナジー発揮が期待される。

竹本 佳弘