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サプライチェーン・マネジメントの見方 ~ランニングシューズ~

シューズメーカー大手の業績が回復している。連結売上高営業利益率は11.5%(21/1-6月)と赤字だった前年同期から大きく改善した。
しかし、ランニングシューズの半分を製造するベトナムのロックダウンによる生産調整で11月以降の販売に影響が出る見込みだ。このマイナス影響を受け、21年12月期は営業利益率は3.7%に落ち込む(マイナス影響控除すると同4.6%)、米国最大手の同15.5%(21年5月期)との差は大きい。
差異要因は(1)棚卸資産回転率、(2)広告宣伝費率(売上高販管費比率)、(3)直販比率にあるとのことだ。
(1)同社:155日/米国最大手:98日
(2)同社:40.3%/米国最大手:31.7%
(3)同社:3割(21/1~6月)/米国最大手:4割(主力ブランド)
サプライチェーン全体の在庫を視て(1)、自社コントロールできる最適な販路(3)に、販促費用(2)を効果的に導入するということとなる。
当然ながら販路をコントロールできなければ全体の流通在庫の可視化、消化は困難である。また販促費用のROIの可視化も必要となる。
このような(1)-(3)の指標の組合せでもサプライチェーン・マネジメントの成熟度をある程度、初期測定ができるのである。

竹本 佳弘