ESG投資の中で、投資先の企業を通じた環境や社会への貢献度を測定・開示するインパクト投資が世界で広がっている。
2020年の運用残高は前年比4割増加。名ばかりで内実を伴わないESG投資が問題視されるようになり、年金など一般の機関投資家にも浸透してきたとのことだ。
国内でも金融機関大手がインパクト投資ファンドを設立、次世代のまちづくりや持続可能な医療・介護など10の課題の解決につながる企業24銘柄に投資する。
インパクト投資は当初は運用収益は二の次で社会課題の解決を目指す慈善の側面が強かったが、世界の投資家がESG投資の一環でインパクト投資に資金を配分、運用収益と、環境や社会への好影響の双方の達成を目指すようになった。
例えば、英国企業のインパクト投資戦略は20年のリポートで、9000億リットルの節水や約1120万人の疾病予防、370万ヘクタールの農家の収穫高増加などに貢献したとのことだ。
ここでインパクト投資を弊社が提唱するサプライチェーン・ガバナンスの取組みの一環として組み入れてはどうだろうか。
サプライチェーンを統制するキャプテン企業が中心となり、金融機関と提携してファンドを設立、資金調達して自社のサプライチェーンの整備・統制に投資する。見返りにサプライチェーン全体の可視化とムダ取りによるCO2削減、節水・節資材等を実現する一方、調達・生産・販売のリードタイム短縮によるキャッシュ創出に展開、この成果をサプライチェーンを構成する企業全体で公表するのである。
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サプライチェーン・ガバナンスにおけるESGインパクト投資
経営戦略
2021年09月13日