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3Dデジタル地図プラットフォーム「プラトー」活用の成功要因

国交省が5月に全面公開する全国の3Dデジタル地図プラットフォーム「プラトー」から新ビジネスが生まれている。プラトーは実際の都市をデジタル空間でそのまま再現。オープンデータとして無料公開することで再開発や浸水想定図の作製など、官民問わずプラトー活用によりデジタルツインを促進させるとのことだ。
事例では百貨店大手は新宿の仮想空間に百貨店を出店。参加者はアバターを通じて自由に新宿を歩きまわり、仮想店舗で接客を受ける等、新しい体験を模索する。
また地方自治体の活用も視野に入れる。例えば仮想空間上に商店街を再現し、スマートフォンのアプリで散策できるようにする。新型コロナウイルスによる旅行控えが広がるなか、ECサイトで土産を販売すれば、地域の観光業界の支援につながるとのことだ。
確かにデジタルツインの館を作ることは重要である。しかし、その館に顧客がアクセスしなければ空館状態が継続する。デジタルツインの意味通り、現実世界に接点を持つ既存顧客を仮想世界に送客する工夫が必要である。例えば、ふるさと納税サイトや農畜産の産直サイトの顧客(会員)をプラトーに送客するのはどうか。当サイトに掲載された産地に興味を持つ会員がプラトーを活用して産地を探索する。その上で、ご当地の仮想空間上の商店街等を訪れるのである。

竹本 佳弘