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サプライチェーンの内製化 ~アメリカン・ライトハウス(米国の灯台)~

米ウォルマートは3月初、米国内で製造・組み立てされた商品の調達に今後10年間で3500億ドル(約37兆円)を投じると発表。米国内の調達増加で75万人以上の新規雇用が創出される見込み。調達先を海外から顧客に近い米国内に切り替えることで、推定1億トンのCO2削減効果もあるとのことだ。
21年1月期時点で当社の商品の3分の2近くが米国内で生産。今後はプラスチックや繊維製品、医薬品・医療用品など、国内メーカーからの原材料や商品の調達量を増やすとのことだ。
国産品の調達を増やすとのことだが、コスト競争力を維持するためには原材料、資材などは中国、東南アジアからの輸入は欠かせない。そのため、最終の製品化だけを米国内企業が担当する可能性がある。
しかし、米国内の製造業、大学や政府機関などがサプライチェーンの効率化で連携する枠組みをつくる方針「アメリカン・ライトハウス(米国の灯台)」を提唱しており、今後、米国のサプライチェーンの内製化が発展するか、注視していきたい。

竹本 佳弘